二度と泊まりたくない宿。

「二度と泊まりたくない宿」

この話をするのには理由があります。

この時の経緯が、今度私が宿の口コミを含むリサーチをかけるようになった

原点でもあるからです。

このストーリーなくして、このブログなし、という大切な話になります。

それは、もう二十年以上前の話です。

古っ！！（歳がバレますね（笑））

当時、私は少ないお給料をコツコツ貯めて、家族の特別な記念日に

家族全員を温泉に招待しようと計画しました。

失敗はしたくなかった私は、入念に旅行雑誌や情報誌をたくさん読んで、

どこの宿が一番ふさわしいかをリサーチしました。

（当時はまだパソコンも持っていませんでしたし、宿の予約も電話で

　していた時代でした。今のように口コミをチェックすることは

　できなかった時代です。）

その中で、素敵な露天風呂の写真が目を引く宿に決めました。

テレビでも紹介されたことがあり、その画面の「絵」が本当におしゃれに

映り期待が高まりました。

お値段も、当時で１人１泊27,000円くらいだったと思いますが、少し

人数を増やしての１室になったので、24,000くらいになったくらいの

価格帯であったと記憶しています。

値段からいえば、特別室のようなクラスまでにはいかないものの、

１万円台の宿よりは、ホスピタリティーが若干高く雰囲気が良い、

そんなイメージでした。

ですが、宿泊してみると、明らかな人手不足で、出迎えも見送りも

スタッフ全員、心ここにあらず、という上の空状態でバタバタと

していました。みなさん、表情に忙しさと悲壮感が滲みでていて

全くゆとりがない状態でしたので、ひょっとすると何かトラブルでも

あったのかもしれません。

担当してくれた仲居さんは、笑顔が全くない怖い顔をした方で、

おそらく接客業は素人さんでした。

あまりの無愛想さに怖くなった祖母が、仲居さんに心づけを渡して

いたのですが、お金を受けとる時だけ、一瞬にこりとすると、

さっとお金をしまって、また無表情に戻ってしまいました。

その後のサービスは、もうご想像にお任せします。

料理も、よくある団体客向けのような料理が冷めて運ばれてきました。

テレビでも紹介され、雑誌でも散々露出が高かった露天風呂は、

テレビで見るよりも小さなお風呂で、予約制で一人当たり30分のみと

厳しく時間制限されていました。

予約して入って見ると、源泉掛け流し、とまでは期待していなかった

けれど、お湯が意外と汚いのが見えて、がっかりしました。

有名な温泉地でありながら、温泉の泉質の良さなんて皆無です。

間接照明だけが唯一おしゃれに設えてあって、ああ、そこだけ

テレビで雰囲気よく抜いたのだと思いました。

お風呂から出ると、廊下まで団体客のカラオケの音が響き渡っており、

会社の団体旅行を思い出しました。

この旅行から帰った後、家族は誰一人として、この宿の話をしたがり

ません。

それから、時は流れて、宿には「口コミ」なるものが書き込まれるように

なり、ブログなどで紹介されたりもするようになりました。

そういう情報も、個人の主観が入っていたり、間違った情報も含まれる

でしょうから、注意が必要です。

それでも、情報を得る手段が雑誌やテレビだけだった時代よりは

細やかな情報が入りやすくなっています。

それは宿を経営する方にとっても厳しい時代なんだと思います。

しかし、基本的にはそういうテクノロジーは、どういう旅行のコンセプトで

どう利用したいのか、そんな注文に応えてくれる宿を探しやすい便利な

機能なんです。

ぜひ、旅館、ホテル関係者の皆様には、自分の宿がどういう利用法が

むいているのかを明確にして宣伝して欲しいです。

あまりに、ゆったりとした素敵宿のイメージで宣伝していて、廊下まで

ガンガン、カラオケの音が響いているというのは、宿を探している立場

からするとミスマッチ過ぎます。

みなさんも、私のブログを信用しすぎるのは危険ですよ（笑）

このブログのたくさんの感想や意見は、私というフィルターがかかった

情報です。

いろんな角度から、いろんな情報からデータ収集して、宿を決めてくださいね。